放置してある自転車に乗ったら犯罪?【弁護士が解説】

自転車が放置してあったので乗って帰ろうとしたら、途中で警察に見つかってしまいました。

今後どのような罪に問われるのでしょうか。

 

放置自転車を持ち去ったときに成立する可能性のある犯罪は?

放置自転車を持ち去った場合に成立する可能性がある犯罪としては、窃盗罪(刑法235条)や、占有離脱物横領罪(刑法261条)が考えられます。

窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金であり、占有離脱物横領罪の法定刑は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金です。

窃盗罪は、他人の占有する財物を、占有者の意に反して自分の物にするために持ち去った場合に成立します。

他方、占有離脱物横領罪は、誰かの財物ではあるものの、誰の占有下にもない物を自分の物にしようと持ち去った場合に成立します。

放置自転車を持ち去るという行為態様に差はないのですが、この2つの犯罪の違いは、財物(今回のケースでは放置自転車)を誰かが占有しているかどうか、という点になります。

例えば、お店の駐輪場に置いてある自転車を勝手に乗り回した場合には、自転車の所有者は一時的に駐輪場に自転車を停めてすぐそばのお店に入店しているだけと思われますから、自転車は所有者の占有下にあるものと考えられます。

そのため、他人の占有する財物を、占有者の意思に反して持ち去っているということになり、窃盗罪が成立します。

他方、誰かが乗り捨てた盗難自転車が道端にあったとして、その自転車を持ち去った場合には、その自転車は本来の所有者の所有物ではありますが、持ち去る時点では誰もその自転車を占有しているとは考えられません。

そのため、誰かの財物ではあるものの、誰の占有下にもない物を持ち去っているということになり、占有離脱物横領罪が成立することになります。

 

 

警察に見つかったら逮捕されるのか?

警察警察は、全ての犯罪者を逮捕するわけではなく、重大な事件や、証拠を隠滅したり逃亡したりする可能性が高いと考えられる事件についてのみ逮捕を行います。

放置自転車の窃盗や占有離脱物横領は、多くの場合逮捕が必要なほど重大な犯罪とは評価されません(集団で継続的に窃盗を繰り返しているようなケースは別です。)。

また、放置自転車がその場で警察に押収されることがほとんどであって、他に隠滅すべき証拠が考えにくいと思われますし、放置自転車を持ち去ったことに対する刑罰を恐れて平穏な生活を捨てて逃亡するとは通常考えにくいといえます。

そのため、放置自転車を持ち去ったとしても、それだけで逮捕されるケースは多くはないでしょう。

 

 

捨ててある物かどうかの判断は困難

持ち去った放置自転車が、本当に所有者が捨てたものであった場合、誰も所有していない物を持ち去ることに対する犯罪はありませんので、罪に問われることはありません。

しかし、客観的に見て自転車が捨ててあるかどうかというのは分かりにくいものです。

放置自転車に乗っていたところを警察に見つかった場合、所有者が捨てたものかどうかを調べないと本当に無主物かどうかは分かりません。

仮に自転車がゴミ捨て場に捨ててあったとしても、ゴミ捨て場にある物がゴミ捨て場の敷地の所有者の占有下にあるとされるケースもありますから、勝手に持ち去っていいというものではありません。

自転車が置いてあった状況によっては、捨ててあるものだと思ったという弁解は通用しないでしょう。

放置自転車を勝手に持ち去ってしまったことに対する刑事処分は、微罪処分や起訴猶予となることも十分考えられます。

もっとも、必ずそのような処分になるわけではありませんし、前科や反復性等の事情次第では正式裁判で実刑となる可能性まであります。

無用なトラブルを防ぐためにも、放置自転車を見かけても決して持ち去らないことをお勧めします。

放置自転車を持ち去ったことが発覚してしまった場合、どの犯罪に当たるのか、もしくは犯罪とならないのかを検討していく必要があります。

放置自転車の持ち去りについて捜査をされている方は、一度当事務所にご相談ください。

 

 


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