警察が自宅に来た場合の対応【弁護士が解説】

掲載日:2019年5月14日|最終更新日:2019年5月14日
弁護士の回答

家宅捜索とは何か

家宅捜索とは

警察警察官が自宅に来る理由は、周囲で起きた事件の情報を集めるためであったり、定期的な見回りのためであったり、色々なものがあります。

これらの中で、当事務所への相談があるのは、家宅捜索のために警察官がやって来た場合の対応についてです。

家宅捜索について、刑事訴訟法は、「検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、裁判官の発する令状により、差押え、記録命令付き差押え、捜索又は検証をすることができる。」(刑事訴訟法218条)と定めています。

つまり、家宅捜索を受けるという事は、「警察官は、あなたの家に何らかの犯罪の証拠を探しに来ている」ということなのです。

 

家宅捜索が行われる条件

ただし、この家宅捜索は、どんな時でも警察官が自由に出来るものではありません。

憲法35条1項は、「何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第33条の場合(逮捕される場合)を除いては、正当な理由に基づいて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。」としています。

また、警察官が家宅捜索を始めるためには、捜索差押令状を家に住んでいる人にきちんと見せる事が義務付けられています(刑事訴訟法110条、同法222条1項)。

つまり、家宅捜索は、その場で家に住んでいる人を逮捕する場合を除いて、警察官が押令状を持っていなければ、出来ないということです。

そのため、逮捕の手続きを行うことなく、警察官が家の中を調べさせてほしいと言ってきた場合には、まずは捜索差押令状を見せるように求めましょう。

 

 

家宅捜索時の対応

警察官が捜索差押令状を持っていない場合

警察官が捜索差押令状を持たないで家宅捜索に来る事はあまりないと思いますが、万が一、警察官が捜索差押令状を持っていない場合、それは任意捜査に過ぎませんから、家宅捜索に応じる義務は一切ありません。

捜索差押令状がないときに家宅捜索を拒否することは、先に述べたように、憲法によって保証されている市民の権利です。家宅捜索には応じないということを、はっきりと警察官に伝えましょう。

それでも警察官が帰らない場合、その状況を写真や動画等で記録したり、「弁護士を入れる」と伝え、警察官の名前を聞いておいたりすることも効果的かもしれません。

 

警察官が捜索差押令状を持っていた場合

警察官が捜索差押令状を持っていた場合、家宅捜索に対して抵抗することは得策ではありません。

捜査家に住んでいる人が捜索差押令状を見ないようにしたとしても、どれだけ暴れたとしても、警察官は強制的に家の中を探し回り、犯罪の証拠となる物を持って帰ることが出来てしまいます。

 

捜索差押令状を破ってしまった場合
公用文書毀棄罪(刑法258条)に該当します(仙台地裁平成27年7月14日判決)。
暴れて警察官に暴行を加えてしまった場合
公務執行妨害罪(刑法95条1項)に該当します。

その結果、その場で現行犯逮捕されてしまう可能性もあり、状況は悪化するだけです。

 

しかし、警察官が捜索差押えをすることが出来るのは、「令状に記載された場所、物」についてのみです(刑事訴訟法219条1項)。

家に住んでいる人は、家宅捜索に立ち会うことが出来ますので(刑事訴訟法114条1項および2項、同法222条1項)、捜索差押令状に書かれている内容をしっかりと見て、罪名を確認し、捜索差押令状に書いていない場所を探していないか、書いていない物を持って行こうとしていないかを見張っておきましょう。

また、警察官の行為が、捜索差押令状に書いてある範囲で行われたものかを後で確認しようと思っても、捜索差押令状の内容を後から入手することが難しい場合もあります。

そのため、家宅捜索の時に、警察官に捜索差押令状の内容を読み上げてもらって、それを録音しておくと、後々の対応に役立つことがあります。

なお、捜査上必要がないと判断された物については、捜査が続いていても返還されることになっていますから(刑事訴訟法123条)、警察官が持っていった物が全て事件終了時まで返ってこないということではありません。

 

 

家宅捜索を受けた後の対応

警察官が家宅捜索にやってきたということは、警察から、あなた、もしくはあなたに近い人物が何らかの犯罪を行ったと疑われていると考えた方がよいでしょう。

それぞれのケースにもよりますが、家宅捜索で見つけた物を証拠として、後々、逮捕・起訴される可能性は十分にあります。

悩む男性犯罪を行ったという自覚があるのであれば、事実を自ら認めた上で、被害者がいれば早期に示談をし、謝罪すべきです。

そうすることで、逮捕・起訴されることなく、社会内で更生をする機会を得られる可能性を高めることが出来ます。

このように、家宅捜索を受けた場合には、あなたが置かれている状況を正しく分析し、なるべく早く対応策を考えていく必要がありますが、専門家の判断無しにこれらの活動を行う事は非常に困難です。

刑事専門の弁護士に相談し、最適な弁護活動を受けることをお勧めします。

 

 

 


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