迷惑行為防止条例違反(盗撮)で不起訴を目指すには【弁護士が解説】

掲載日:2019年5月20日|最終更新日:2019年5月20日

反省する男性のイラスト盗撮をしてしまいました。
起訴されることだけは避けたいのですが、どうしたらいいのでしょうか?

 

弁護士の回答

盗撮はどのような犯罪なのか?

盗撮とは、人を著しく羞恥させ、または人に不安を覚えさせるような方法で

①通常衣服で隠されている他人の身体または他人が着用している下着を写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」といいます。)を用いて撮影すること
②公衆便所、公衆浴場、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態を、写真機等を用いて撮影すること

をいいます。

盗撮これらの盗撮行為や写真機等を向ける行為は、各都道府県が定める迷惑行為防止条例によって禁じられています。

福岡県において盗撮等を行なった場合の刑罰は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金とされています。

<福岡県迷惑行為防止条例>
(卑わいな行為の禁止)

第6条2項
何人も、公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、正当な理由がないのに、前項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
一 通常衣服で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着をのぞき見し、又は写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下この条において「写真機等」という。)を用いて撮影すること。
二 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。

第6条3項
何人も、正当な理由がないのに、第一項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
一 公衆便所、公衆浴場、公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態をのぞき見し、又は写真機等を用いて撮影すること。
二 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し、又は他人の身体に向けること。

(罰則)
第11条2項
第二条又は第六条から第八条までの規定のいずれかに違反した者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 

 

 

不起訴を目指すために重要なことは?

謝る男性それでは、盗撮を行ってしまった場合、迷惑行為防止条例違反の事件で不起訴を目指すために重要なことは何でしょうか。

それは被害者と示談をすることだといえます。

なぜなら、盗撮は、被害者の性的自由を侵害する行為ですから、被害者の処罰感情や被害弁償がされているかということが重要だからです。

もっとも、保護法益が被害者の性的自由のみである強制わいせつ罪とは異なり、社会的な性風俗や平穏といった秩序も、迷惑行為防止条例の保護法益に含まれていますから、直ちに「示談成立=不起訴」となるものではありません。

それでも、示談が成立していることが刑事処分の決定において重要な意味を持つことは間違いありません。

盗撮行為の悪質性や常習性といった観点にも左右されますが、迷惑行為防止条例違反の初犯であれば、被害者と示談ができた場合に不起訴となる可能性を上げることが期待できます。

しかし、示談交渉は加害者本人が行うことは基本的にできません。

警察は、被害者の許可を取らなければ被害者の連絡先を加害者に教えることができません。

そして、盗撮をされた被害者やその家族が、盗撮の加害者と接触することを拒否することは容易に想像できるでしょう。

刑事弁護士また、仮に被害者と加害者が顔見知りであったとしても、盗撮被害にあった者の心情を考えれば、直接交渉することは不適切といえます。

弁護士限りということであれば、被害者も警察を通して連絡先を教えてくれることが多いですし、交渉においても、被害者感情に配慮した交渉を行うことができます。

例えば、盗撮を行った場所がコンビニエンスストアであれば、「当該店舗の付近には今後一切立ち寄らない。」といった条項を盛り込むことを提案することもあります。

なお、条例違反という公益的な側面を重視して、初犯で示談が成立していても刑罰を与えるべきだと考えている検察官は一定数います。

そのため、示談が成立した後も、検察官に対して被害者との示談ができたことの重要性を説いていくことが必要になってきます。

これらの観点から、迷惑行為防止条例違反で不起訴を目指そうと考える場合には、弁護士を選任することが必要であるといえます。

 

 

再犯防止のための活動

いくら被害者と示談ができたからといって、同じことを繰り返してしまっては意味がありません。

犯罪白書によると、性犯罪の中でも盗撮犯の再犯率は高いというデータがあり、再犯防止のための措置を講じることが必須といえます。

検察官も再犯を防止するためにどのような処分がもっとも適切なのか、という点を考慮して処分を決定します。

検察官が示談の重要性を理解していても、加害者本人に反省の色が薄く、不起訴にしてしまうと再犯のおそれが高いと判断されれば、不起訴にならないこともあります。

仮に、警察に発覚してしまった盗撮については不起訴処分を得ることができても、その後も犯行を繰り返してしまえば、いずれ厳しい処罰が下されることになるでしょう。

当事務所では、不起訴処分を得ることだけでなく、同じことを繰り返してほしくないとの思いから、性犯罪を行ってしまった依頼者に対しては、専門的な治療施設に通ってカウンセリング等の治療を受けることを勧めています。

痴漢や盗撮を行ってしまう人は性的興奮を得るためというよりも、むしろスリル感を楽しんでいるということも多いのですが、本人や周囲の人もその本質的な問題に気付いていないことが往々にしてあります。

専門的な治療を受けることで、盗撮をしてしまう原因に気付いて改善することが期待できるからです。

また、示談が成立した後も、加害者が再犯防止に向けて活動していくことで、「この人に刑罰を与える必要はない。」と検察官に説得的に訴えかけていくこともできます。

同じ過ちを繰り返さないようにするためには、ご本人の決意と周囲のサポートが必要になってきます。

私たちも更正のお手伝いが出来ればと思いますので、盗撮をしてしまってお悩みの方は、ぜひ当事務所にお越しください。

 

 

 

 

 

 


なぜ弁護士選びが重要なのか

盗撮事件について

 

犯罪別『盗撮』についてよくある相談

 

『盗撮』の解決事例

 

メール相談