犯行を認めたら帰れる?その場合、今後は逮捕される可能性もない?

在宅事件についての質問です

犯行を認めたら家に帰してもらえるのでしょうか?

また、家に帰してもらったら、今後逮捕される可能性はないと考えていいですか?

 

 

弁護士の回答

身柄拘束をしないまま捜査を行う事件のことを、在宅事件といいます。

在宅事件として扱われることになったとしても、その後に逮捕の必要性が高くなったと考えられた場合には、逮捕される可能性があります。

 

在宅事件とは?

警察はすべての犯罪者を逮捕するわけではなく、犯罪の重さや逃亡や罪証隠滅のおそれ等を考慮した結果、逮捕の必要性が低いという判断された場合には、身柄拘束をしないまま事件が進行していくことになります。

このように、身柄拘束をしないまま捜査を行う事件のことを、在宅事件といいます。

犯罪の重さ等他の考慮要素にもよりますが、犯行を認めている場合には、在宅事件としてもらえる可能性は上がるでしょう。

しかし、犯行を認める場合や在宅事件の場合でも、以下のような点には注意が必要です。

 

犯行を認める場合の注意点

警察から疑われている犯罪に身に覚えがある場合、犯行を認めることは賢明な判断といえます。

しかし、取り調べにおいて犯行を認める場合、スムーズに取り調べが進むと考えておられる方が多いのではないでしょうか。

実際には犯行を認める場合であっても、取り調べで気をつけなければならないことは残っているのです。

自分としては正直に記憶している事実を伝えているのに、取り調べで警察官から別の可能性を提示されて、「本当はこうだったんじゃないのか?」「このことを認めないと反省したことにはならないぞ。」といったことを言われることがあります。

弁護士取り調べを行う警察官に自分の反省を分かってもらわないと、逮捕されるのではないか、刑罰が軽くならないのではないかという不安感から、このような警察官の見立てに沿った供述に変更してしまうケースもあることでしょう。

しかし、このように自分の認識と違うと思いながら供述を変えてしまった場合、完成した供述調書は往々にして警察官の都合がいいように仕上がっています。

警察官は取り調べを行いますが、最終的に起訴不起訴の決定権限を有しているのは検察官です(刑事訴訟法247条、248条)。

刑事事件における「嘘」とは、自分の認識と異なる事実を供述することであり、客観的事実と異なる供述をすること自体は「嘘」ではありませんから、きちんと説明をすれば、検察官は分かってくれるはずです。

そのため、自分の認識と異なる場合に警察官の言いなりになって供述をしたり、自分の認識と異なる記載となっている調書に署名押印したりする必要はないのです。

ただし、勘違いしてほしくないのは、最初にした供述を絶対に変更しないことが正しいといっているわけではありません。

仮に警察官の発言を聞いたり証拠を見せられたりして、自分の認識が間違っていたと考えた場合には、供述を変更して何も問題はないのです。

重要なのは、自分が記憶している事実や、当時の認識を正確に伝えることです。

反省するということは、決して警察官の言いなりになることではなく、自分が行ってしまった犯罪に向き合うことです。

 

在宅事件とされた場合の注意点

在宅事件とされたから、もうこの事件で逮捕されることはないと楽観視できるかというと、そうではないのです。

逮捕は、要件さえ満たせばいつでも出来るものであり、在宅事件として扱われることになったとしても、その後に逮捕の必要性が高くなったと考えられた場合には、逮捕される可能性があるのです。

在宅事件となった後に逮捕される可能性が生じてくるのは、例えば警察からの連絡があっても無視する等、任意の取り調べに応じなくなった場合や、証拠隠滅を疑われるような行動をした場合です。

謝る男性ここで注意するべきなのは、顔見知りの人が被害者である場合に、加害者が直接示談を行おうとすることです。

直接謝罪したいという気持ちからの行動だとしても、警察や被害者からすれば、被疑者が直接被害者に接触することで、被害届を取り下げたり証言を変えたりするよう圧力をかけるのではないか、と考えられてしまいます。

このような行動をとってしまうと、罪証隠滅のおそれがあるのではないかと捜査機関に疑われ、逮捕の必要性が高まったと判断される可能性があります。

示談交渉は逮捕の可能性を下げるために非常に重要なことですが、必ず弁護士に依頼した上で行う必要があります。

また、在宅事件には逮捕や勾留を行なったときのような時間制限(最大23日間)がないことから、最終的な処分が決まるまでに時間がかかることがあり、不安な気持ちのまま過ごさなければならないというデメリットがありますが、迅速に示談交渉を行うことで、早期に不起訴の判断を受けられる可能性も高くなり、在宅事件のデメリットを軽減することも出来ます。

以上のように、適切な取り調べ対応をして逮捕の可能性を下げるためにも、また早期に処分を決めてもらうためにも、在宅事件の被疑者として警察の取り調べを受けた後には、法律事務所に相談に行くことも考えてみてはいかがでしょうか。

 

 


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