一部執行猶予という制度ができたと聞いたのですが、どのような制度ですか?


弁護士の回答

一部執行猶予とは?

カレンダーとペン一部執行猶予とは、課せられた懲役(禁錮)刑の一部期間は刑務所で過ごさせるものの、その残りの一部期間の刑の執行は猶予するというものです。

定められた猶予期間(1年以上5年以下)に、再度犯罪をせず、遵守事項を守れば、残りの一部期間について刑務所に入る必要がなくなります。

これまで裁判所は、刑務所に入れるか、執行猶予とするか、オールオアナッシングの判断を強いられていましたが、これからは第3の選択肢が生まれることになります。

 

 

一部執行猶予の基準

刑事訴訟法第27条の2第1項に、
「次に掲げる者が3年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受けた場合において、犯罪の軽重及び犯人の境遇その他の情状を考慮して、再び犯罪をすることを防ぐために必要であり、かつ、相当であると認められるときは、1年以上5年以下の期間、その刑の一部の執行を猶予することができる。
1 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その刑の全部の執行を猶予された者
3 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことのない者」
とあります。

2号に該当する者(執行猶予中の再犯者)は、全部執行猶予の可能性がありませんから、一部執行猶予の獲得が第1の目標となります。

また、全部執行猶予の可能性が残されている被告人の場合には、全部執行猶予を求めつつ、予備的に一部執行猶予を求めることが考えられます。

上記条文に基づいて考えると、前に禁錮以上の刑に処せられたことがあって、実際に刑務所に入って懲役・禁錮刑を終えた者が、5年たたないうちに再度懲役又は禁錮の言渡しを受けた場合、1号にも2号にも3号にも該当しないため、一部執行猶予を受ける可能性がないことになります(全部執行猶予の可能性もありません)。

薬物ですが例外があります。

薬物使用等の罪の場合です。

「薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律」という法律があります。

薬物使用等の罪を犯した者につきましては、上記1号・2号・3号のいずれかに該当するという要件がなくなりますから、刑務所から出た直後に再度逮捕・起訴され有罪判決を受けた場合にも、一部執行猶予を受ける可能性があります。

しかし、その猶予期間は、保護観察に付されることになります。

なぜ薬物使用等の罪について、一部執行猶予の適用範囲が広げられているのか、同法第1条がその趣旨をまとめています。

「この法律は、薬物使用等の罪を犯した者が再び犯罪をすることを防ぐため、刑事施設における処遇に引き続き社会内においてその特性に応じた処遇を実施することにより規制薬物等に対する依存を改善することが有用であることに鑑み、薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関し、その言渡しをすることができる者の範囲及び猶予の期間中の保護観察その他の事項について、刑法の特則を定めるものとする。」

弁護士西村裕一イラスト当事務所では、一部執行猶予が被告人の更生に一役買うものであると考え、一部執行猶予の獲得にも力を入れています。

刑事事件に注力する弁護士が在籍する当事務所に、まずはお気軽にご相談ください。

 

 

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