人身事故において、刑事責任の線引きはどのようになされるのですか?


困る主婦のイラスト人身事故を起こしてしまいました。

現在保険会社が間に入って被害者の方と交渉をしてくれています。

人身事故には、刑事上の責任を問われる場合と、問われない場合があるようなのですが、その線引きはどのようになされているのでしょうか。

 

 

弁護士の回答

刑事上の責任を科すか科さないの基準とは?

交通事故のイメージイラスト人身事故を起こしてしまった場合、被害者に対する損害賠償責任としての民事上の責任、自動車運転上の過失に対する処罰としての刑事上の責任、運転免許の取扱いについての行政上の責任が問われうる状況に置かれます。

このうち、刑事上の責任を科すか科さないかは、どのような基準に基づいて分けられているのでしょうか。

一口にケースを分かつ基準はありません。警察官・検察官は、毎日各地で起こる交通事故のうち、処罰を与える必要性が高いものを選定して、裁判所に起訴し、刑事上の責任(罰金刑や懲役刑)を科しています。

 

処罰を与える必要性が高いものとは?

解説する弁護士のイメージイラストでは、処罰を与える必要性が高いものとは、どのような人身事故をいうのでしょうか。

重要な要素としては、①過失の内容・程度、②結果の重大性(被害者の傷害の程度)、③同種前科・前歴の有無、④被害者処罰感情などを挙げることができます。

①過失の内容・程度

交通事故のイメージイラスト居眠り運転をしたという場合、その過失は、悪質なものであると評価されます。居眠り運転は、重大事故を引き起こす危険性が高いからです。大幅なスピード超過、信号無視などもそうでしょう。

一方で、停止中にブレーキペダルをしっかり踏んでおらずクリープ現象により前の車に追突した事故では、その過失は比較的軽微なものとされることもあるでしょう。人身に与える影響が大きいとはいえないためです。

②結果の重大性(被害者の傷害の程度)

事件のイメージイラスト被害者が死亡するような事故や、重傷を負ったような事故であれば、加害者に同じ過ちを繰り返さぬよう反省を迫ると同時に、同様の事故を起こさぬよう国民に警告をし、交通の安全を守る必要がありますから、処罰を与える必要性が高いものと判断されやすくなります。

打撲程度の傷害であれば、そこまでの必要があるとは考えづらくなるでしょう。

③同種前科・前歴の有無

無許可のイメージイラスト何度も過失による人身傷害事故を繰り返している者には、強く反省を迫る必要がありますから、処罰を与える必要性が高いと判断されやすくなります。

④被害者処罰感情

泣く女性のイメージイラスト被害者が、処罰を求める場合には、被害者救済の観点から、処罰の必要性が高いと判断されやすくなります(ただしこの「④被害者処罰感情」については、大きく重視されません。①過失の内容・程度、②結果の重大性(被害者の傷害の程度)によって客観的に判断する方が、真に処罰の必要性が高い事案に刑事上の責任を科すことができるからです)。

 

刑事事件に注力する弁護士にご相談ください

上記の事情のほか、示談を成立させることができた場合や、被害弁償金を支払い被害者の許しを得た場合、今後免許を返上し運転をしないことを誓約した場合等には、刑事上の処分が科されなくなることや、処分が軽くなることがあります。

弁護士西村裕一イラスト刑事上の責任を負わされるのか、今後の流れに不安がある方、刑事上の処分について不服のある方、過失の有無について疑義があり争いたいと考えている方、刑事上の処分を軽くするために弁護士を探している方、刑事事件に注力する弁護士が在籍する当事務所へ、お気軽にご連絡ください。

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