名誉毀損に関する質問


質問①

妻が風俗店で働いている事を今回知りました。

在籍する風俗店で公開されているプロフ写真及び写メ日記の写真のみが印刷され、娘の中学校に娘宛で送られてきました。

差し出し人は架空と思われます。なお、妻が言うには送った相手はよく指名し、プライベートな事を話たかもしれないと言います。

客と思われるメールアドレス、名前は分かっています。 店外で会ったり、本番行為は無いと言います。

その客が送ったという確たる証拠はありません。

その手紙を持って警察に相談に行けば、警察がその客を同行させて指紋を取り、手紙の指紋などから特定できませんか? そのヒトのスマホ、PCを押収して写真の保存記録や店の接続履歴が調べられますか? ストーカー規制法、脅迫、名誉毀損等で訴える事ができますか? 娘は引きこもり、妻は鬱になりつつあります。 よろしくお願い致します。

 

弁護士の回答

犯人が誰かはさておき、行為自体は、名誉毀損に該当する可能性が高いように思います。
名誉毀損罪の条文は、刑法230条1項にあります。

「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。」

要件としては、①公然性、②事実の摘示が挙げられます。

①の公然というのは、不特定又は多数の者が直接に認識できる状態をいいます。今回、中学校の娘様宛に送られてきたとのことです。学校は、どのように対応したのでしょうか。娘様宛にくる郵便物に不審を抱き、先生方も中身を確認したのではないでしょうか。そうであるとすると、不特定多数の者が直接認識できる状態がつくられていますから、公然性の要件を満たします。

次に、②についてですが、社会的評価を害するに足りる事実である必要があります。夫がいるにもかかわらず風俗店で働いている事実は、一般的に見て決してほめられたものではなく、社会的評価を害する事実であるといえるでしょう。また、プロフ写真や写メ日記の写真のみが印刷されていたとのことですが、言葉による説明が無くとも、「その写真の人(宛先の生徒の母親)が風俗店で密かに働いている」ということは十分に伝わりますから、事実の摘示といえるでしょう。

以上から、犯人の行為は、名誉毀損に該当する可能性が十分にあります。(ストーカー規制法違反や脅迫罪は、要件を満たさないものと思われます。)

しかしながら、ハードルとして残るのが、「犯人性」です。
まず、一般の方はよく誤解をしていますが、指紋は、そう簡単には残りません。物の素材に大きく左右されます。そして、仮に残っていたとしても、徐々に消えていきます。

さらに、仮に指紋の採取に成功したとしても、「警察がその客を同行させて指紋を取り、手紙の指紋などから特定」することは困難が伴います。その客が犯人である疑いが十分ではないと、警察として動くことができません。動いたとしても、おそらく逮捕などはできず、任意捜査にとどまり、その客が捜査に協力しなければそれで頓挫してしまいます。

では、今後、ご相談者様として、どのような対応をすればよいのでしょうか。
私見としては、(上記回答内容と矛盾するように聞こえてしまうかもしれませんが、)警察に相談に行き、証拠等を全て提出した上、被害の届出をすべきであると考えます。決して、この一件のためだけに、警察が動いてくれるとは思いませんが、仮に再度同じような被害が生じた場合に、警察が積極的に動いてくれる可能性を高めることができます。

 

当事務所は、警察への被害申告に同行するサポートも実施しています。今後もお気軽にご相談ください。

 

 


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