飲酒の際の傷害事案は逮捕される?【刑事弁護士が解説】


慌てる男性飲酒の席での傷害事案、逮捕の可能性はどの程度ありますか?

傷害で逮捕されるとどうなりますか?

傷害で逮捕されないようにするには?

当事務所の刑事弁護チームには、このような傷害事件と逮捕に関するご相談がたくさん寄せられています。

刑事弁護はスピードが勝負です。手遅れになる前に、まずはお気軽にご相談ください。

 

 

飲酒で傷害を正当化できる?

飲酒のイメージイラスト刑法は、「心神喪失者」の行為については、「罰しない」と規定しており、「心神耗弱者」の行為については、「その刑を減軽する」と規定しています(39条)。

そのため、飲酒して、意識障害を起こすほどの病的(重度)な酩酊状態であれば、傷害罪として罰せられないか、刑が減刑される可能性があります。

刑法が、心神喪失者や心神耗弱者の行為について、上記のように規定しているのは、犯罪の実行段階で責任能力がなければ、これに対して非難を加えることは妥当でないという考えに基づいています。

これを「行為と責任の同時存在の原則」と言います。

しかし、飲酒して病的なほどの酩酊状態になるケースは決して多くありません。

また、仮にそのような状態であれば、急性アルコール中毒の状況であり、人に危害を加える行為を行うことは難しいでしょう。

そのため、飲酒の事案で心神喪失や心神耗弱が認められるケースは、極めて少ないと考えられます。

 

 

傷害=逮捕?

逮捕傷害罪は、被害者がいるため、犯罪としては決して軽いものではありません。

なお、傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金と規定されています(刑法204条)。

しかし、傷害を犯したからといって、必ず逮捕されるとは限りません。

逮捕は、人権を侵害する行為です。

すなわち、逮捕は、人に対して精神的苦痛を与え、社会的信用を失墜させ、経済的損失等の打撃をも与えます。

そのため、逮捕するには、法律で定めた要件が必要です。

 

 

逮捕の要件

人を逮捕するには、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」と「逮捕の必要性」がなければなりません(刑訴法199条2項)。

被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由
犯罪の嫌疑自体又はその嫌疑があるといえる理由を「逮捕の理由」といいます。

逮捕の必要性
逮捕なくしては、十分な捜査ができないことが要件となります。

刑事訴訟法には、詳細な規定はありませんが、法文にあるものとして、以下の場合があります(刑訴法199条1項但書、60条)。

住居不定

罪証隠滅のおそれ

逃亡のおそれ

上記の「おそれ」の有無については、被疑者の年齢、境遇、犯罪の軽重・態様その他の事情に照らして判断されます(刑訴規則143条の3)。

逮捕についてくわしくはこちらをご覧ください。

 

 

傷害で逮捕される場合とは

それでは、傷害のケースで、具体的にどのような場合に逮捕されるのか、上記の逮捕の要件に当てはめて解説します。

傷害の嫌疑があるので、逮捕の理由がある場合

傷害の被害届が出ている場合
傷害で刑事告訴されている場合
飲食店の店員や客から通報があった場合
傷害などの同種前科や前歴がある場合

特に、この事案では、飲食店であるため、加害者の名前がわかっている可能性があります。

名前がわかっていなくても、店員や客が目撃しているため、容姿などの目撃情報から犯人の特定が出来ている可能性が高いと言えるでしょう。

傷害などの粗暴犯は、過去に同種犯行を繰り返していることもあります。

そのため、同種前科や前歴があっても、嫌疑が濃厚といえます。

逃亡のおそれがあるとして、逮捕される可能性がある場合

警察の捜査において容疑を否認している場合
警察に対して住所等を秘匿している場合
警察からの呼び出しに応じない場合

 

 

傷害罪の逮捕の問題点

逮捕されると不利になる

逮捕傷害罪で逮捕されると、捜査機関は、被疑者に対して、無罪推定の法理をはじめとする憲法上の保障である適切手続の履行を無視した過酷な追求を行いやすくなります。

被疑者は、強大な国家権力によって刑事責任を追求される立場に追いやられ、生活環境は一変し、極度の焦燥感と不安感にさいなまれる状況に置かれます。

このような状況下では、被疑者は少しでも罪責の軽減をしてもらおうと警察に迎合的な態度をとったり、あるいは投げやりな態度をとったりしやすくなります。

そして、警察に言われるがまま供述調書に署名をしたり、事実と異なる点を認めてしまったりするなどして、後々不利になります。

そのため、逮捕前に、刑事事件に詳しい弁護士に相談して対策を講じておくことが必要です。

 

逮捕後は示談が難しい

パトカーのイラスト傷害罪など、被害者がいる犯罪では、示談交渉の成否が起訴・不起訴に多大な影響を及ぼします。

すなわち、示談が成功して被害者自身が被害届を取り下げてくれれば、被害者の処罰感情が消失している以上、捜査機関もわざわざ容疑者を起訴して処罰する必要が小さくなるからです。

そのため、傷害事案では、被害者との示談交渉を弁護士にご依頼されることを強くお勧めしています。

ところが、逮捕されてしまうと、弁護士との打ち合わせがしにくくなるため、スピーディーな示談交渉が難しくなる可能性があります。

また、逮捕されると、会社を解雇される心配もあります。解雇されると金銭的な余裕がなくなり、示談金を準備することが難しくなる可能性があります。

 

 

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